はじめあまり馴染めなかったけど、聴いてくうちに好きになってきたのがこのDARK RIVERという曲です。
無難なGLAYメロディで真新しさを感じず、僕の中では聴き込むことをしなかったんです。というかあの頃は事情があってGLAYファンを止めようかと思った時期でもあったんですよ。
友だちの結婚式と函館ライブが重なって「友人の結婚式のせいで函館に行けなかったって思いたくないから、GLAYのことを忘れる以外に自分の中での気持ちの整理がつかない」って思ってました。(もう今では吹っ切れましたけどね)
で、MUSIC LIFEに収録されているこのDARK RIVERを改めて聴いてみると、良いじゃありませんか!これ! ということでグイグイ解説しちゃいますよw
イントロ
ギタリストには聴いただけで分かるのですが、イントロ前半のフレーズは開放弦(※)を意図的に絡めたフレーズです。
※左手で弦を押さえない状態の弦のこと。開放弦と開放じゃない弦を混ぜて弾くと、音にツヤのある表情が生まれる。
ちょっと分かりづらいかもしれませんが文章で表してみます。曲を聴きながらドウゾ!
らーララーラらー
らーララーラらー
らーララーラらー
らーララーラらー
ってなってるじゃないですか。(わかります?w)
この部分、ひらがなの部分だけ音が変わっているんですよ。で、ララーの部分はずっと「シ」と「ミ」が鳴っています。音が一定でツヤのあるシ・ミを基点にして階段の様に上がっていくフレーズがとても印象的なのです。
イントロの後半部分はベースが面白い!私ならギターのフレーズにあわせて「ダーダダーダダダ」というベースラインにしそうですが、JIROは「ダダッダダダッダ」という弾き方をしています。これによって気持ちの良い縦ノリ(頭を縦に振りたくなるノリ)を生み出しているように私は思います。
Aメロ
前半ではTAKUROお得意のクリーントーンを活かしたフレーズが良いですね。TAKUROはBLEEZEもそうですが、Aメロのクリーンでのフレーズがとっても光ります!それから個人的に好きなのがAメロのドラム。「ドン・カン・ドド・カン」って鳴ってるでしょ?これはスネアドラムの縁を叩いているのですが、こういう透き通ったパートにはとても良く合います。
Aメロ後半ではHISASHIが荒々しい音で攻めてきます。「夕暮れに鳴って自由に泳いでる」や「夢中に離れない」の音はいつものHISASHIのギターの音色に近いですが、「恋人はそっと」や「昔からそうで」の直後は異色です。
HISASHIのギターが狼になって吠えたような感じ。Bメロを挟まずに一気にサビに突入する際の緊張感を表しているように聴こえます。
そして2番のAメロではいきなり静まり返ってイントロの印象的なフレーズが再登場。TERUの力強い歌とあいまって、とても心に刺さります。そして「強がりを言って」の直後のベースの「ブン」という音でバンド全体が戻ってきます。こういうところの展開のスマートさはホント流石だなあと思います。
サビ
サビのギターはコントラストに注目!
イヤホン右側からはTAKUROがクリーントーンで所々にアクセントを入れた印象的なフレーズを弾いているのに対して、HISASHIは曲のイメージとは似つかわしくない攻撃的なサウンドを鳴らしています。(耳をすまさないと聴こえないかも)「Life goes on 答えのない」の太字あたりで、イヤホン左側に叫んでいるHISASHIがいるでしょ?w そして中央で鳴るアコースティックギター。これらのコントラストがとても素敵だと思いませんか?
また、サビのコーラスも特徴的ですね。「君と叶えたい夢だったぁ!」の伸ばす部分のコーラスが音程が上がっていき、メインボーカルよりも長く伸ばしているため目立ちます。『I LOVE YOUをさがしてる』の「ふいに言うとぉ!」の部分と似ていますね。私個人的にはコーラスのわざとらしさゆえに、あんまり好きじゃないのですが、皆さんいかがでしょうか。
ソロ前~ソロ
『pure soul』や『春を愛する人』などでお馴染みのソロ前のCメロ的なやつ。私、こういうの大好きなんですよ。ソロに向けての盛り上がり感がとてもたまらない。特にこの曲では「飲み込まれてーーーー」のTERUの(多分わざと)かすれそうなギリギリの声を出し切った感が、なんだか物悲しさや深みを醸し出しています。そしてこれまた緊張感のあるストリングスとドラムのセッションにつづいて、HISASHI王道のスムーズかつリズミカルなギターソロ。
「ミミミミ レレレレ ドドドド シシシシ ララララ 」とドレミを順番に下っていくフレーズですが、弾き方でこうも印象的になるものかと、改めて勉強になるなあという一節です。
まとめ
「長い時間を経て描かれる人間模様を主軸にしたドラマ」のテーマソングだけあって、歌詞を含めてメロディやコード進行など、至る所に深みがかいま見える曲になっているのではないでしょうか。聴きこむごとに良さが分かってくる。GLAYの曲はそういう曲が多いですが、私みたいに「あんまり好きになれないかも」と思っている人ほど、じっくりと味わっていただきたい曲かも知れません。