GLAYは本当に色々な音楽に挑戦しますね。もともとGLAYというバンド名は「ロックを黒、バラードを白と例えることがあるが、そのどちらもやりたい」という意味で、白と黒を併せ持つ灰色に由来しています。2004年くらい以降からダンスミュージックをやってみたりスカをやってみたり、多種多様な音楽に挑んでいる印象をうけます。
GLAYのスカといえば「THE FRUSTRATED」に収録されているBLASTが最初ですね。この曲ではTERUの「スカをやりたい」という思いから作られました。今回はどういう経緯だったのでしょうか。
さあ、それでは今回もギタリスト目線の曲紹介を行っていきましょう。今回は曲の解説 → 歌詞の考察という構成で行きたいと思います。
ギタリスト目線での曲の解説
スカっぽくいきなりサックスから始まり、TERUの「イ・キ・ナ・リ CRAZY IN LOVE」から始まります。この直後HISASHIの歪んだギターがメロを奏でますが、この部分ではスカっぽさはあまり感じられず、途中からガラリとスカっぽいフレーズに切り替わります。5小節目の「ダダダッ ダダダッ ダダダダダダ」あたりからですね。面白いのはサックスが入ってからもHISASHIやTAKUROはいつもの様にロック調のフレーズを奏でているところです。サックスがあることによってスカっぽいですが、このあたりは上手に融合させているのがGLAYのスゴイところ!
AメロではTAKUROは完全に「ンチャッチャッチャッチャ」というフレーズはTHE・スカと言える弾き方です。HISASHIは相変わらずいつもの通りですw
Bメロではイ・キ・ナ・リ スピード感が増します。ドラムのリズムがいつものGLAYのエイトビートのズンタンズズタンに戻るから疾走感があるのでしょうか。
「重ねた唇濡れてゆく」の部分のベースが味がありますねえ!TERUのメロディととても上手く融合しています。このベースで一気にブレーキがかかり、またスカ調のAメロに戻ります。このAメロではHISASHIがとても可愛いフレーズを弾いていますね。音も可愛いし、フレーズも可愛い。
次のBメロが私にとってとてもツボでして、「ホンのジョークと笑いだせば」の部分ですが、ここでブーブークッションみたいな「ブーブー」という音がずっと聴こえています。こいつの存在感が半端ないw1回目には出てこないんですよ。HISASHIの可愛いフレーズの直後なのでまたこれがグッとくるわけです。ホント色々音楽について探求しているし遊びゴコロがスゴイなと思います。
サビは珍しく裏声を使って歌っていますね。もちろんキーが高くて声が出ないわけではなく、「この方が色気がある」から裏声なんだと思います。この部分はライブでは「オ前ラだけが欲しいんだーーー!!」ってなりそうですねwちなみにこのサビの裏でなっている両耳から聴こえてくるギター、控えめだけどしっかり存在感があって、ギタリストとしてはグッとくるものがあります。
I JUST WANNA BE YOUR MANの裏でイントロのメロディに戻るところにグッとくるのですが、その裏でTERUが「アハン ハン」と言っているのもなんだかこの曲のあやしさを表しているような気がしてなりません。
そして(おそらく)HISASHIによるギターソロ!クリーントーンでアタック音(ピックが弦を弾く音)を大切にした、とても曲調にピッタリなギターソロです。疾走感を失わず加速したまま次に繋げる、そんな役割を持っているギターソロですね。TAKUROの裏のバッキングやサックスとの相性も抜群で、聴いていて心地よいです。
それにしてもスカをほとんどやらないGLAYが、こんなにも素晴らしいスカsongを作れることに本当に驚きです。しかもそれがどう聴いてもGLAYの曲に聴こえるところも素敵です。GLAYという芯がしっかりと図太くあるから、色々な曲に挑戦してもGLAYらしさが失われないのでしょう。
歌詞の考察
TAKUROはJUSTICE・GUILTYあたりからイケない男女の愛を描いています。いままでの曲の書き方はどちらかというと自分の恋愛などを書こうとしていたけど、音楽ってもっと色々なことが書けるはずだとも言っていました。
この「浮気なKISS ME GIRL」もまさにそういった曲であるといえるでしょう。
「重ねた唇濡れてゆく」という歌詞から、この二人にキス以上の関係があることは想像できるものの、「オ前だけが欲しい」というフレーズは、まだこの相手を手に入れていないことが分かります。それにしてもこの「唇濡れてゆく」というフレーズは、とてもビジュアル的に映えるフレーズですね。こんな歌詞が書けるようになりたい!
そして「次のカーブで海に出ればこれはゲームと言えなくなる」は、おそらくあと一段階進んでしまうともう遊びの恋愛じゃなくなる、戻れなくなる。いまの家族はどうしたら良いんだ。でも俺はオ前が欲しい!!!
そんな我儘な男の性を描いた歌のように思えます。「お前」を「オ前」と書くあたり、「偽りの相手」という意味が込められているのかもしれませんね。
11/27※追記
そういえばこの曲のドラムをたたいているのはBOOWYの高橋まことさんですね!
アボーイさんがコメントで、
特に「オ前」表記は80年代のロックバンドが好んで使ってましたし、
と教えてくれています。なるほど!
MUSIC LIFE全曲のギタリスト目線解説を連載中!
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浮気なキスミーガールの曲はメロディーも歌詞もボーイのリスペクトなのであまり深い意味はないと思います。
特に「オ前」表記は80年代のロックバンドが好んで使ってましたし、
スカもボーイの「スーパーカリフォルジィクエキスピアリドーシャス」からのリスペクトでしょう。
本人たちも認めてますしね。