MUSIC LIFEというタイトルが付いているとおり、おそらくこれはGLAY自身の音楽人生を語ったものと思われます。TAKURO自身が「これって俺たちの人生そのものだな」とも言っていました。
ギタリストにしかわからない言葉も出てくるので、そこも解説しながら進めていきましょう。
曲の解説
何重ものコーラスによる荘厳な感じの始まりを経て、HISASHIとTAKUROが二人とも違うメロディを弾くちょっと変わったイントロ。どちらかがバッキングといってリズムとコードを担当することは良くありますが、二人で思い思いメロディを奏でるのは珍しいです。
AメロのTAKUROのギターがかっこ良すぎます!右チャンネルから聞こえてくるギターです。HISASHIの場合はこういうフレーズは同じ内容を繰り返すことが多いですが、TAKUROはあまり繰り返しを好まない傾向にあります。「ここではない、どこかへ(Single Ver.)」のAメロのフレーズなんかもまさにそうです。そしてこのギターが荒々しくて、若々しくてとてもカッコ良いです。
ところでAメロで出てくる「憧れのEXP」ってなんでしょうね。文脈からするとどこかのライブハウスに思えます。おそらくこれは「神楽坂EXPLOSION」というライブハウスのことかと思います。GLAYがインディーズ時代に良くイベントを開催していたライブハウスで、今でもビジュアル系のバンドが良くライブをやっている老舗ライブハウスだそうです。(わたしはV系バンドじゃなかったので、ぜんぜん知らないライブハウスです)
ちなみにここで出てくる「スモーク」というのはライブハウスでステージ上に充満させる煙のことです。この煙があるからスポットライトなどの照明がしっかりと色がつくんです。(豆知識)
サビの歌い出しが「JOY」っていうのが良いですね!喜びとか嬉しさを表すこの単語をおもいっきりTERUが歌っているのが、なんだか平和に満ちている歌詞のような気がして、とても安らかな気持ちになります。それにしてもこの歌のサビ、なんとなくSTARLESS NIGHTに似ていません?
さあ、次は2番のAメロの歌詞について見ていきましょう。まず、この歌詞は「取り柄だったよ」と「取り合ってた」で韻というか掛けていますね。
そしてタイトルにも記載したJCとMarshallについての解説。これらはどちらもギターアンプのことです。JCとはローランド社(この会社は知ってるでしょ?)のとてもメジャーなアンプの名称。どのスタジオにもライブハウスにもほぼ必ず置いてあるものです。そしてMarshallも見たことがある人は多いかもしれません。
こういうロゴを見たことあるでしょ?ロックンローラーが大好きなパワーのある音が自慢のアンプです。このアンプも超メジャーです。この2つのアンプは音の個性が真逆でして、JCはGLAYが当時やっていたようなパンクに近い音楽にはなかなか向かず、「Jazz Chorus」という名の通りジャズなどの綺麗な音に向いています。だから想像するに「今日は俺がマーシャルを使いたい!」という取り合いが発生していたのではないかと思います。
ギターソロはどちらも真ん中から聞こえるため正確には判断できませんが、弾き方から
前半はTAKUROのソロ、後半がHISASHIのソロ
だと思います。TAKUROはリズムと音程をあえて外すことを良くやりますが、対してHISASHIは音符にカッチリはめ込んだような音の紡ぎ方をします。
「夢に見た契約がやっと取れそうだと喜びあったな」は、ドラムに注目です。シンバルが非常にセンス溢れます!とてもシンプルなフレーズなのに、シンバルを挟むタイミングが絶妙で、ただそれだけで味があります。
最後のサビを聴いて思いましたが、サビで出てくる「JOY」はJOEY RAMONEも影響しているようですね。RAMONESのボーカルです。
なんだかずっと聴いてるとTERUの「ジョーイ」という歌い方がとても可愛く聴こえてくるのですが、わたしだけでしょうか。。。(失礼かしら)
まとめ
それにしても、このMUSIC LIFEを始めとして、今回のアルバムは楽しげで幸せな感じにしてくれる曲がとても多いですね。
アリーナツアーもテーマイメージが幸せを感じられるようなものになる気がしています。いまからとても楽しみですね。
気づけばもうすぐツアーが始まりますよ!
MUSIC LIFE全曲のギタリスト目線解説を連載中!
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安東さんの分析を見ながら曲を聴くと分からなかった言葉の意味がわかりとてもよく理解できます。
それを踏まえて、私なりの感想は、
まず最初の「出入りできるようになったぞー」の「ぞー」のTERUさんの歌い方がとても印象に残ります。
あの若かったまだ何物でもなかった時代に戻ったような感じというのでしょうか。
「はじまりを歌おう」とTAKUROさんが言ってるように
まさにGLAY街道まっしぐらのスタート地点に着いた始まりの時ですね。
この軽快で明るい曲調が
あの頃の若さと音楽への憧れだけを武器に突き進んでいた彼らのキラキラしたものを表しているみたいです。
そして最後に「これで良いんだろう?」
「諦めんなよ」
「それで良いんだよ」
という会話にも見えるフレーズは
今のTAKUROさんやメンバーがあの頃の自分たち
つまり一生懸命にやってるけど
もがき苦しんでいた時代の自分たちに
「そうだ、それでいいんだよ!諦めなければここへこれるんだ!」って
言ってるように思えます。
「それで良いんだよ」のところを聴くと涙が出そうになります。